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伝統的な郷土鍋vs時代と共に進化する鍋

 

鍋流行通信「今どきのおうち事情」

郷土鍋がおうちから消える?!

石狩鍋
石狩鍋

鍋料理と言えば、伝統的な郷土料理のイメージを持っている人も多いだろう。
北海道「石狩鍋」、秋田「きりたんぽ鍋」、東京「ねぎま鍋」(マグロと白ねぎ)、広島「牡蠣の土手鍋」、そして大阪「てっちり」「ハリハリ鍋」など…。その地域では昔から、当たり前に家庭で食べられていた。しかし、今やこうした郷土鍋は、その地域であっても、家庭の定番鍋ではなくなってきているようだ。

朝日新聞が2009年12月に実施したアンケートでは、「わが家の定番鍋」は1位から「おでん」「すき焼き」「寄せ鍋」「水炊き」「湯豆腐」の順になっている。また、料理雑誌「オレンジページ」の読者アンケートでは、近年「キムチ鍋」「ちゃんこ鍋」「豆乳鍋」「カレー鍋」などのニューウェーブ系が家庭鍋の上位に上がってきている。
地元で昔から愛されていた郷土食としての鍋は食卓には上がらず、外食として郷土料理店や鍋料理店で食べたり、祭りや行事などのハレの日のご馳走として昇華しつつある。

ねぎま鍋
ねぎま鍋

しかし、この傾向は、鍋料理だけでないようだ。郷土食全体にもこの風潮が見られることは悲しい事実である。
その背景には、日本全国に、テレビや雑誌などマスコミによる情報の共通化と流通事情の革新による食材の共通化が挙げられる。現代日本においては全国で味と食材とレシピの共有が行われ、画一化されている。
地域ごとに伝わる味を守り、後世に伝えていくことは現代人の使命であり、先人への感謝の気持ちだと思うのだが。

便利な“鍋の素”が発売中!

様々な“鍋の素“
様々な“鍋の素“

多くの食品メーカーが、粉末ダシだけでなくスタンディングパウチタイプの液体の鍋の素を売り出している。家庭の鍋料理では、こうした既製品のスープが主流になりつつあり、昆布やカツオなどからダシをとっている人の割合は減ってきている。さらに、ダシのとり方すら知らない人も多くなってきているのは嘆かわしい事実だ。
カレー鍋・トマト鍋・キムチ鍋・豆乳鍋などの人気もこうした既製スープの普及によるところが大きいようだ。今までの鍋は和食の域であったが、食の洋風化の波は、鍋にも押し寄せている。

トマトすき焼き
トマトすき焼き
‘10~11年の冬にかけて注目を集めたのが「トマトすき焼きの素」だ。煮込んだ具材を溶き玉子に通して食べるスタイルもすき焼きと同じ。トマトとすき焼きとは一風変わった組み合わせのようだが、これが意外にも相性がいい。すき焼きといえば、通常は牛肉だが、トマトすき焼きは豚肉で作ることもあるようだ。トマトを加えているので、ヘルシーな上、牛肉よりも安価な豚肉ですき焼きができるとあって、家庭の懐事情にも嬉しい限り。シメは、トマトリゾットや和風オムライスに仕上げたりできる。

コラーゲン玉と塩ちゃんこ鍋
コラーゲン玉と塩ちゃんこ鍋
さらに、女性にとって永遠の憧れである美肌に良いとされるコラーゲンを扱った「コラーゲン玉」という商品も登場し、話題を集めた。ぷるんぷるんで、火を通すと溶けて液体になる。
今後も洋風化と、ヘルシー志向は鍋の分野においても継続していきそうだ。
和風テイストで注目されたのが、塩味。あっさりとした味わいがその人気の理由だ。
「手軽に作れる」「冷蔵庫に余っている食材を使える」「野菜がたくさん食べられる」という理由から主婦は鍋料理を献立に選んでいることが多い。家庭での鍋は手抜き料理という位置づけに追いやられている。

おうちでの鍋流儀
—家庭の常識が食文化を作る—

家庭ごと、地域ごとに受け継いできた鍋料理の様式はいささか風化しつつあるようだが、一方では「鍋料理はレシピ本いらず」とも言われる。  鍋料理のレシピは家庭によってほぼ決まっていて、わざわざ本や雑誌を見て作るものではない、という意味だ。それ故に家庭の中に、昔から受け継いだ鍋料理のローカルな要素が失われずに残っている、という可能性も十分にある。
例えば、大阪ではおでんの具にくじらのコロやタコ、牛スジを入たり、水炊きには水菜や春菊をいっぱい入れたり・・・。こういった振る舞いは、大阪人にとってすでに身体化しており、よその地域の人から指摘されない限り気付かない。これが、実は忘れてはいけない食文化のひとつであると考える。このような家庭の鍋流儀をきちんと発掘していくと、大阪の鍋料理のありようが見えてくるのかも知れない。
全国的に味付けが画一化し、東京と大阪の違いがなくなりつつあるが、大阪のオリジナリティという観点から、「おうち鍋」を見直してみるのも面白そうだ。

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