
鶴麺
【住所】
〒538-0053
大阪府大阪市鶴見区鶴見5-1-9
【営業時間】
11:00 - 15:00、18:00 - 1:00
【電話番号】06-6939-2126
【定休日】定休日無し
TSURUMEN Oriental noodle
【住所】
〒534-0025
大阪府大阪市都島区片町1-9-34
【営業時間】
11:00-15:00、17:30-22:00
【電話番号】06-6881-0755
【定休日】定休日無し
第13話 世界がすすりだす
みなさん、「つけ麺」という食べ物はご存知でしょうか?
最近、よく見かけると思いますが、まだ食べたことない方もおられると思います。
ここ約5、6年ほど前から、つけ麺というラーメンの新たなジャンルがたくさんのラーメン店で提供されるようになってきました。今では専門店まで見かけます。
「つけ麺」は、東京の東池袋の「大勝軒」が発祥とされています。
この「つけ麺」は、温かい少し濃いめのスープに、水でしめた太めの麺を、もりそばのようにつけて食べるラーメンのことです。

この「つけ麺」のブームで、ラーメンの歴史が少し変わりました。
一般的に、ラーメン店は暑い夏場に来店客が減少し、売り上げが下がる傾向がありました。なので、その対策として「冷やし中華はじめました」という夏のラーメンの定番的なのぼりを掲げ、冷やし中華を提供し、売り上げ減少を押さえてました。
しかし、「つけ麺」が登場し、暑い夏でも、水でしめた麺が夏バテの人たちにも食べやすく、冷やし中華の座を取って代わりました。なので、最近は「冷やし中華はじめました」が、街中から減ってきています。
そもそも、麺をつけ汁につけて食べるスタイルは、もりそばやざるそばなどの“蕎麦”のスタイルです。温かいつけ汁につけるスタイルも、鴨碗など、昔からありましたし、「つけ麺」が日本人に受け入れられるのに、時間はかかりませんでした。

しかし、世界を見てみると違います。
今、アメリカもヨーロッパもラーメンがかなり普及していますが、「つけ麺」はまだまだです。鶴麺ホノルル店でも、「つけ麺」をメニューとして提供していましたが、上手に食べれるお客様はほとんどいません。
中には、スープを盛られている麺の方に全部かけてしまうお客様すらいます。それでは、スープも冷めるし、「つけ麺」の良さが半減してしまいます。麺をつけ汁の中につけてすすることが難しいのでしょう。ラーメンや蕎麦もそうなのですが、「つけ麺」もすすって食べないと美味しさも半減します。
日本人は、暑い麺を空気と一緒にすすりながら食べることによって、鼻から抜ける香りも一緒に楽しんでいるのです。日本人は口内調理が得意な人種だと言われています。おかずを食べたあとにすぐ白ご飯をかけ込み、口の中でその調和を楽しむ食べ方も、その口内調理にあたります。

しかし、ほんと最近、ラーメンブームのおかげか、アメリカ人やヨーロッパ人の中にも、上手に麺をすすって食べる食べ方が浸透してきたそうです。この食べ方でないと、せっかくの出汁の味が味わえません。そうです、世界がすすりだしたのです。
ラーメン店には、割り箸を割る音、麺をすする音が必要です。この二つの音が、世界に鳴り響く日は近いでしょう。
ぼくもこのラーメンの鼓動を、世界に広げたいと思います。