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関西・大阪21世紀協会は「文化力向上」「関西・大阪のイメージ向上」「水都大阪まち育て」の三本を軸に「関西・大阪の文化力向上」を目指します

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鍋よもやま話

関西の食文化において「昆布」は欠かせないもののひとつであろう。煮物であれ、味噌汁であれ、まずは昆布でダシをとることが基本とされる。
鍋を作るときにも、必ずと言っていいほど、ダシ昆布を入れた水を沸かすところから始まる。鍋文化を探る上で、昆布との親密な関係については見逃せないところだ。
大阪天満宮の程近くで昆布屋を営む「天満 大阪昆布」の喜多條さんに話を聞いてみることにした。喜多條さんは上質な昆布を求め、全国津々浦々を巡る日々を送っている。昆布を扱う職人にとって、昆布文化とはそして、その魅力は?また、昆布屋さんの家鍋とはどんなものなのだろう?
空鍋談義のはじまり、はじまり。

昆布は陰の主役 大阪食文化の根元を支える

笹井良隆 『天満 大阪昆布』
喜多條 清光さん

「天満 大阪昆布」の創業は昭和62年。羅臼昆布をはじめ、幅広い昆布商品を取り扱っている。また、幻の昆布と言われたサハリン産の上質な昆布の輸入にも力を注いでいる。社長である喜多條さんは食通としても知られ、良質な食材を求め、全国を駆け回る日々を送る。

「昆布ダシだけでは、大阪の味は成り立ちません」


湯豆腐
湯豆腐

鍋と言っても、すべての鍋に昆布が必要不可欠だとは思っていません。鍋の中でも、「てっちり」や「湯豆腐」には昆布ダシが欠かせませんね。淡白な味わい食材の旨味を引き出すのに、昆布ダシは、よりその威力を発揮しますし、昆布を使うのには、それだけでない理由があるんです。例えば、てっちりだったら、フグのアクを吸ってくれるとか、湯豆腐であれば、鍋底に豆腐がくっつくのを防ぐとか―。でも、すき焼きなど、濃い味の鍋には昆布は不要ですね。
実は、私は、昆布ダシが“関西の味”といわれることには、いささか疑問がありますね。そうかと言って、粉ものや串カツが大阪の味というのも少し寂しい気もします。何が大阪の味かというよりも、日常の中にある何気ない“普通の食卓”こそ、その土地の味であり、大阪の食文化なのではないでしょうか。
昆布は、あくまでも料理の味のベースにこっそりとあるものであって、味わいそのものではないと思うんですよ。ダシとは、旨味ですが、味ではないんです。つまり、昆布だしだけでは鍋は食べられません。醤油であったり、塩であったりと、味を付けなければ成り立ちません。
そういった意味では、昆布ダシと共に鍋の食卓に並ぶのが、ポン酢です。ポン酢は少なくても50年以上前から大阪にはあったように思います。昆布ダシで炊いた具材を、ポン酢で食べる鍋を大阪では「ちり」と呼び、昔から親しまれていますね。

「大阪には、昔から昆布屋が多く、200軒以上がありましたが、
今では100軒ほどになってしまいました」


昆布ダシの歴史は今から300年以上前の元禄年間まで遡ります。日本各地で色々なダシが生み出されました。
土佐でカツオダシが生まれた約50年後くらいには、大阪で昆布ダシが主流となっていたようです。しかし、諸説あり、鰹節の技術については、実は和歌山で開化したとも言われているんです。
江戸時代、北前船によって北海道から大阪に昆布が運ばれてきましたが、海の水がかかり、カビが発生し、堺に荷卸しをしてから、タバコを切る包丁で昆布の表面についたカビをカンナのように落としているうちに、おぼろ昆布が生まれたという説もあります。また、酢をかけることによって、腐敗を防いだり、やわらかくする効果、さらには旨味を引き出す作用などが発見され、それが、酢昆布として今でも親しまれているんです。余談ですが、おぼろ昆布を削った後の昆布の芯にあたる部分が正月に飾る昆布になるんですよ。大阪名物のバッテラに使うのもこの昆布で、白板昆布と呼ばれています。バッテラは昆布の旨味で、サバの美味しさを引き出すと共に、表面の乾燥を防いだり、傷むのを防ぐ作用もあるんです。昆布〆の調理法は富山方面で誕生したのではないでしょうか、大阪にはその後、伝わってきたと思いますね。

「昆布ダシと比較される、昆布とカツオの合わせダシは全くの別物だと私は思います」


てっちり
てっちり

良質の素材がある土地では、食文化が発展しにくいように思います。色々あるけれども、とびきり上質なものがなかった大阪では、色々な加工技術が発達したのではないでしょうか。より工夫をして美味しいものを生み出そうとする志が、食文化を開化させるのでしょう。天下の台所と言われた大阪には、いろいろな食文化が全国から集結してきたのでしょう。
だからこそ、大阪では職人の腕が重要になってきます。技術は勿論、目利きも大切です。
昆布ダシもカツオダシも素晴らしい発明でしたが、ダシの文化を語る上では、その後の合わせダシの発見は世紀の大発明と言っても過言ではないことでしょう。関西に合わせダシの文化が流入したことで、画期的に食文化が進化し、開化していくきっかけになったことは事実です。
昆布ダシの文化が関東でもポピュラーになったのは、昭和に入ってからなんです。やはり、昆布と一言で言っても、昆布にも様々な種類があるんです。「てっちり」など淡白な味わいのものには、ツメ昆布というおぼろ昆布を削ったあとの白黒の昆布を使うのがオススメです。むしろ、昆布ダシをとるというよりは、フグからいくらか出るアクや臭みをとるための役割が大きいからです。
最高級の昆布と言われるのが羅臼産のものです。続いて、利尻産です。全国的に人気があるのが、日高産で、最もよく売れている昆布です。大阪ではダシをとるよりも、炊いて食べることが多いんですよ。それぞれ特長があり、昔の人は使い分けをしていましたね。

「鍋といえば、水炊きでした。ダシは味のベースですが、主役ではないんです」


水炊き
水炊き

家庭での鍋と言えば、やはり水炊きではないでしょうか。大阪らしいと言えばハリハリ鍋ですね。船場や天満が、大阪の味どころというイメージがあります。
いいダシとは、気づかないうちに飲み干してしまうものです。何かわからないけれど、いつの間にか喉を通っていくものなのです。それが一流というものです。昆布ダシは黒子であり、決して主役ではないけれど、主役を引き立てるためにはなくてはならない存在なのです。鍋の主役を引き立てるための黒子なのだと思っています。
また、ダシは昆布のみの単体のダシではなく、複数のものが混ざりあった合わせダシこそ、その魅力が引き立つのではないでしょうか。カツオやイリコ、シイタケや酒など、だしには複数のものを使うのがおすすめです。つまり、旨味を単体でとらえるのではなく、組み合わせによるより複雑な世界を楽しんでほしいですね。それが、料理の奥行きや深みを生むのではないでしょうか。


今回の喜多條さんの話から、ダシの文化を掘り下げる必要があるようだ。
次号では、二大ダシ文化とも言える、鰹節について聞き取りをしていこう。

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