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関西・大阪21世紀協会は「文化力向上」「関西・大阪のイメージ向上」「水都大阪まち育て」の三本を軸に「関西・大阪の文化力向上」を目指します

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鍋よもやま話

鍋文化を語る上で、最も大切とも言えるのが、ダシの存在だ。
ダシといえば、昆布とカツオ。前回の昆布ダシに続いて、今回は鰹ダシをクローズアップしていこう。やはり大阪では、昆布ダシがポピュラーだが、鰹ダシをプラスした、合わせダシは全国的には一般的だ。
大阪西区で鰹節問屋を営む「靭鰹節店」の宮さんに話しを聞いていこう。
界隈は戦前まで、数多くの乾物問屋が軒を構える地として賑わっていたという。しかし、戦後の復興とともに、化学調味料の進歩し、家庭でダシをとる文化がどんどん減っている現状を宮さんは危惧しているのだそう。
ダシの役割とは? 鰹節のプロがオススメするダシの組み合わせとは?
さあ、空鍋談義のはじまり、はじまり。

複数のダシが生み出すハーモニー 旨味へと繋がる可能性は無限大

宮 章雅さん 『靭鰹節』
宮 章雅さん

「靭鰹節店」の創業は昭和28年以前に遡る。今では数少なくなってきてしまったが、削り立ての美味しさにこだわりを持つ鰹節問屋である。カツオ節は勿論、サバ節やメジカ節、アジ節、マグロ節など様々な節を扱っている。インターネットでの注文も可能。

大阪市西区靭本町1-16-6 06(6443)9841 
http://www.utubo-katuo.com/

「戦前は鰹節問屋も多く、海産物問屋で賑わっていたそうです」


靭海産物市場跡
靭海産物市場跡

10年前くらいまでは5~6軒ほどあった鰹節屋も、今ではうち一軒となってしまいました。靭鰹節の創業は昭和28年で、今年57年目を迎えますが、それ以前から、鰹節を扱う商店としては営業していたので、その歴史は古いんです。祖父が鹿児島県こしき島から出てきて、修業を重ね、独立したのが始まりと聞いています。
豊臣秀吉の時代、江戸時代には、なにわ筋には川が流れており、その両脇には昆布や鰹節を扱う乾物問屋がたくさんあったんですよ。永代浜という船着場があり、そこが往来の中心であり、海産物市場もありました。さらに堀江には、木材問屋が多く軒を構え、まさに大阪は活気溢れる商業の町だったんです。川を往復し、多くのモノが運ばれていたんです。しかし、戦時中、空襲で焼かれ、今の靭公園のところには米軍の飛行場ができたのだそうです。その後、公園になったそうです。

本枯節
本枯節
そもそも鰹節の歴史は古く、「古事記」にも記されているんですよ。当時はカツオを日に干しただけだったようですが、江戸時代に燻製を用いる今の鰹節に近いものが確立されました。本格的に製造が始まったのは江戸時代になってから。カビつけの技術が進化したのは、明治末期といわれています。
靭鰹節店は鰹節の問屋ですので、鰹節自体を作っていません。ここでは、削るのが仕事です。鰹節のは鹿児島や長崎、静岡、高知など各地の職人の手によって作られているんですよ。

「手間隙をかけ、職人によって丁寧に作られる鰹節は日本ならではの食文化です」


鰹節
鰹節

鰹節は削り立てが一番です。こだわっている店では自分で削っているところもありますし、注文してから削るという料理屋もあるくらいです。何が違うかといえば、香りです。削り立ての香りに勝るものはありませんね。
鰹節の目利きには熟練した経験が必要なんです。皮肌に脂がありすぎても、また逆になさ過ぎてもだめなんです。同じランクや同じ作り手のものでも、微妙な差があるんです。その時、その時で最も上質なものを仕入れるのがとても大変なんです。職人は生のカツオで見極めます。皮肌を見るには生のカツオがいいんです。また、面白いのは、鰹節に向いているカツオは生で食べてもあまり美味しくないんです。脂がのり過ぎず、身が締まっているくらいが丁度いい塩梅なんですよ。
鰹節ができるまでには多くの工程があります。まずは生の状態のものを切ります。そして、釜で茹でる。その後、栗や樫などの広葉樹で燻しながら、燻製にしていきます。2週間ほど、表面が黒くなるまでじっくりと燻します。その後、皮を残して成型し、菌をつけ、3ヶ月ほど発酵させます。天日に干しては拭いてを3回ほど繰り返し、カビ室に入れ、カビをつけていきます。ここから、再度、カラカラになるまで天日に干して、カチコチにしていくという、とても時間のかかる作業なんですよ。
いい鰹節とは、表面がさらっとしていて、細かいカビがついているものです。しかし、実際はカビの種類も色々とあり、削ってみるまではわからないものも多いんです。やはり、信頼できる生産者さんのものが一番安心できますね。さらに、鰹節にはランクがあり、特撰や枯本節、本節、荒節などがあるので、良品の見極めには神経を注いでいます。

「節には様々な種類があるんです。まずは、ダシをとってみてください」


さて、いよいよダシの話ですが、鰹節をどの薄さに削るかによっても味わいに差がでてきます。0.03ミリ程度を薄削りといい、ダシをとるには、これくらいがオススメです。
昆布は水から入れて、沸いてきたらとるものですが、節のダシは中火で沸いた湯に入れ、ぐるぐると舞う状態で入れるのがいいでしょう。グラグラと5分ほど煮てからを火を止め、節を引き上げます。粗熱がとれたら冷蔵庫で2日ほどは保管できます。
鰹節といっても、関西ではマグロ節が定番なんです。関東でも、マグロ節を好んで使っている人もいますね。他にも、アジ節や、メジカ節、ソーダ節、サバ節など、ダシをとるには、実は色々な種類があるんですよ。これらを食材によって、またどんなダシを作りたいかによって、組み合わせて使うのが昔のやり方でした。そのため、地域によって、さらには同じ地域でも家庭ごとに味噌汁の味が異なっていたんです。
今では、混合ダシが主流で、すでにブレンドしてあるものを使う人が増えてきましたね。それと共に、家庭の味が均一化してきてしまったのかもしれませんが―。さらには、化学調味料によるダシの素も多くなりましたが、やはりダシは削り立てでとったものが、本当に美味しいんです。

「合わせダシの相性は無限大です。家庭の味を繋いでいってください」


宮 章雅さん

鍋のダシもその具材によって、ダシをとる具材を使い分けるのがオススメです。合わせダシは和食の基本です。というよりは、どんな食材とも相性がいい魔法のダシといえるのかもしれません。ただし、その組み合わせが重要なのですが―。
よせ鍋にはカツオダシと昆布ダシがいいでしょう。上品すぎると感じるなら、サバ節をプラスするのもいいですね。キムチ鍋などしっかりした味わいのものには、パンチのあるサバ節がいいのではないでしょうか。自分好みの組み合わせを見つけ出すことが、ダシの楽しみでもあるんですよ。厳密には昆布にも、道南産真昆布や、羅臼昆布、利尻昆布など色々な種類があり、味わいも異なるため、ダシの方向性は千差万別と言えます。
私にとって、大阪の鍋といえば、うどんすきです。鰹節と宗田節と、昆布の合わせダシがいいですね。水炊きやしゃぶしゃぶにも、合わせダシがオススメです。昆布ダシの影で、ほんのりと香るカツオの風味が日本人の食欲をくずぐるんですよ。
合わせダシといえば、干ししいたけもダシの要素としてはとても重要です。また、いりこ=煮干も古くから日本に伝わるダシです。
ダシとは旨みです。この旨みという要素は、日本の食文化を語る上では、とても重要な役割を持っています。また、ダシは単純なものではありません。混ぜればいいというものでもありませんが、その組み合わせによって、味わいが変化したり、不調和を起こすこともあれば、どんどん深い旨みを作り出すこともあります。その奥深さがダシの魅力なのでしょう。それを発見し、受け継いでゆくことが、家庭の味なのではないでしょうか。


さて、ダシと一言で言っても、実に様々な種類があり、またその組み合わせも多種多様な広がりがある。だからこそ、家庭ごとの味わいがあるのであろう。 好みは勿論だが、鍋の種類によってもダシを使い分ける必要がありそうだ。

★日本のダシ
昆布(真昆布、羅臼、利尻など)
節(鰹節、サバ節、メジカ節、アジ節、ソーダ節など)
いりこ(煮干など)
干ししいたけ など

それでは、海外のダシ=旨みはどんなものがあるのだろうか。次回は、中国、イタリアンに目を向けていこう。

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