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関西・大阪21世紀協会は「文化力向上」「関西・大阪のイメージ向上」「水都大阪まち育て」の三本を軸に「関西・大阪の文化力向上」を目指します

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てっちり

元祖・紙鍋発祥の店

日本で古くから親しまれている鍋料理は、ダシや味付け、材料、さらには地域によって、その種類は限りないと言われている。土鍋やステンレス鍋の代わりに、銅製金網に貼られた一枚の和紙を鍋として使う、それがこの店の名物・紙鍋だ。
玄関をあがれば、趣ある日本座敷が佇む蘆月の創業は昭和2年(1927年)、その歴史は80余年の老舗店だ。「坂の上の雲」の作者・司馬遼太郎氏が愛した上方の味を継承する店としても名高い名店である。「昭和初期に発刊された「五銭文庫」にも紹介されています。当時は船場の旦那衆などにも人気があったようです」と話すのは四代目店主の田頭泰さんだ。 現大阪駅前第一ビルとなっている曽根崎が創業の地。「戦後は全てが焼失し、曽根崎はヤミ市となりました。土地を守り、店を再開するために苦心したそうです」と田頭さんは話す。昭和33年頃、駅ビルの開発を期に、現在の曽根崎新地へと移ったという歴史を持つ。


昭和初期から今でいうグルメ本、「五銭文庫」にも紹介されるキタの人気店だった。紙なべコース一人前18900円~。

田頭さんの曽祖母に当たるすゑさんが満州で見た料理に創作を加え、この紙鍋を作り出した。今では、他の店舗でも見られる紙鍋だが、紙鍋発祥の店がここである。(江戸時代の文献にも「紙鍋」の文字が存在するが、当時はこんにゃく芋を紙に塗って鍋として使っていたのだとか。現在の形の紙鍋を生み出したのは蘆月である。)
紙鍋とは字の如く、和紙でできた鍋である。はじめて見る人は、紙でできた鍋に驚くことだろう。勿論、特殊な加工が施されてはいるが、特注の金網のザルにのせ、土佐備長炭を使った炭火にかける。水が入っていることで、和紙は燃えない。そしてさらなる利点としては、魚菜からでるアクを和紙が吸い、煮込んでもダシが濁らないため、最後の一滴まであっさりとした味わいのダシが楽しめるというわけだ。
毎朝、その日のお客さん分だけの鍋を作る仕事から1日がはじまるという。「手漉きの和紙を10年くらい寝かせるんです。そうすることで、目の詰まったしっかりとコシのある和紙に育つんです」と話す田頭さん。

豪華絢爛な鍋の集大成

具には鮮魚が7〜8種類、約50種類以上の野菜が華やかに、そして彩りよく盛り込まれる。
メイン具材となる魚介類は、鯛や海老、イカ、穴子、鰆に加え、春はコチや平目、夏はハモ、冬はフグやクエなど旬の鮮魚が加わる。さらに、もうひとつのメインともいえるのが、多彩な野菜だ。創業時は20種類程度だった野菜は流通事情の進歩や品種の増加などで、現在は50種類以上。さつまいもやキヌサヤ、姫ニンジン、しめじなどのキノコ類など通年食材の他、秋には松茸など旬の素材が加わる。


少しずつ色々、約60種類の具材が入る贅沢な味わいだ。

「鍋とは言え、和食ですから、季節を感じてもらいたいですね。天下の台所・大阪だからこそ、全国から旨くてええもんが集まってくるんです」と田頭さん。産地にこだわるのではなく、その時、その時の状態を目利きし、納得のいく食材を仕入れているのだそう。「美味しい産地というものは、季節によって変化すると思います。特に野菜は、温度変化によって、旬の産地が変化して当然なんですよ」と田頭さんは言う。厳選した野菜は一種類ずつ丁寧に下処理をしてから供される。「50種類もの野菜があるので、早朝から、職人が仕込んでいるんですよ」。

じっくりと味わう鍋のフルコース

ダシは昆布と野菜の旨味だけ。だからこそ、シンプルで品のある味わいが美味。新鮮な魚介類は、タイやエビなど火の通りやすいものから鍋に入れてゆき、火の通ったものから順に食してゆく。糸こんにゃく、粟麩、焼き餅なども次々と加わる。食材の種類が多いため、3時間ほどかけてゆっくりと鍋を堪能する鍋のコースといったところ。
スダチと自家製ポン酢であっさりと食すもよし、自家製のごまだれで食すもよし。「野菜の繊細な味を引き立てるように、ポン酢はまろやかな酸味とほんのりと甘い後口に仕上げています」と田頭さん。


大小様々な広さの個室が用意されている。

唐辛子を細かく切って日本酒で練った唐辛子を入れるとまた違った味わいになる。玉子を加えて雑炊で締める。
今でも大切な商談やお目出度い顔合わせ、特別な記念日などに往年のファンが通う。田頭さんは「鍋屋です」、と言うが、大阪を代表する鍋料亭と言っても過言ではない。


北新地に地に佇む蘆月。

大阪市北区曽根崎新地1-7-10
12:00~22:00 / 日祝、年末年始
地下鉄東西線北新地駅より徒歩2分、JR大阪駅より徒歩8分
TEL:06(6341)6351
http://r.gnavi.co.jp/k001600/
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